筆者は、そもそも大した人間ではない。とはいえ、人生という長く広い目で見れば、合格点といえる道を歩んできたと思う。そこで、とりわけ就活について、ここに記しておく。

経歴を細かく書くことはできないが、学歴は良くない。また、自分が注目されることにも慣れていない。この2点は最初に明記しておこうと思う。

書類については、頑張ったところで、はっきり言って誤差レベルの差だと思っているので、ここでは触れない。この記事では面接に全振りする。気をつけたことは、大きく分けると次の3つだ。

  1. 01敢えて面接対策をしないこと
  2. 02面接に際して、嘘はつかないこと
  3. 03手持ちのカードは複数用意するが、自己PRには穴を作ること

01

敢えて面接対策をしないこと

いきなり本末転倒な話に見えるかもしれないが、筆者は敢えて面接対策をせず、すべての面接に臨んでいる。

面接対策を念入りにするなら、おそらく自分の長所を綿密に整理し、相手の会社情報をしっかり調べ、ひとつのストーリーを作り上げてぶつけることになるだろう。でも、筆者はそれを一切していない。

理由は、緊張で綿密に組み立てたストーリーが飛んで頭が真っ白になったとき、あるいは想定外の質問でそのストーリーを使えなくなったとき、自分はパニックに陥ると考えたからだ。最初から真っ白な状態で臨めば、それは想定内なのでパニックになりようがない。

就職先候補に選ぶのは、多少なりとも自分が興味を持つ分野や、知っている企業だと思う。だから、あくまでも自分の知識の範囲内で、その場でストーリーを組み立ててプレゼンする。

複数の企業に応募している場合は特に、各企業について詳しく調べていると、膨大な情報を暗記しなければならない。それが頭を真っ白にする原因になるので、そうしたことはなるべくしない。

この方法なら、どの企業に何を言ったかもすぐに分かる。対策をしていないからこそ、自分の知識からその場で生成できることしか話していないはずだからである。これは、二次面接以降で整合性を取るコストを下げることにもつながる。

強いて対策らしいことを挙げるなら、失礼な言い方かもしれないが、志望度が低く、面接日程の早い企業をどんどん受けたほうがよい。机上で面接対策を重ねるよりも、実際の面接で経験を積むほうが自分の力になる。回数をこなすうちに、自分の身の丈に合った、より良いプレゼンができるようになっていく。

面接では、余裕のなさや自信のなさが表に出ることが、最も印象を悪くする。仮に志望度が高くない企業であっても、早い段階で内定を得られれば、それ自体が精神的な後ろ盾になる。「ここが駄目でも行き先はある」という余裕が、その後の面接で自信を持って話す助けになる。

02

面接に際して、嘘はつかないこと

就活や面接について「嘘つき大会だ」と言う人もいるが、それが使えるのは、相当に高度な会話ができる人に限られる。筆者はそこまで器用なことはできないので、面接では絶対に嘘をつかないよう心がけることにした。

物は言いようなので、事実であればどんどん盛ったほうがよい。この方針なら、たとえ相手が勘違いしたとしても「嘘は言っていません」と堂々と言える。

嘘をつくと、ばれたときに100%自分の立場が悪くなる。さらに、その嘘を成立させるための新しい嘘が必要になり、どの面接でどんな嘘をついたかまで管理しなければならない。これは相当に高度な会話になる。整合性を取るコストを下げるためにも、相当な自信がない限り、嘘はやめたほうがよい。

とはいえ、質問の中には、そのまま答えると嘘になってしまうものもある。たとえば、第2希望の企業で「弊社が第一希望ですか?」と聞かれた場合だ。

筆者なら、その企業より志望度が低い同業他社を挙げ、「こうした部分に御社の強みがあると考えているので、“御社のほうが”志望度は高いです」と答える。

面接官は自社に対する絶対評価を聞いているが、こちらは相対評価で答える。質問のゴールポストを動かすことで、嘘をつかずに志望度が高いと思わせ、好印象を与えることができる。後から事情が分かったとしても、「嘘はついていない」と返すことが可能だ。

03

カードを複数用意し、自己PRには穴を作ること

当たり前だが、自分の強みというカードは複数枚持っていたほうが強い。理由は2つある。

1つ目は、特に集団面接などで起きやすいが、カードの勝負になったとき、先にカードが切れたほうが負けるからだ。1枚のカードがよほど強いならともかく、大抵はみんな似たり寄ったりなので、複数のカードを持って面接に臨みたい。

2つ目は、単独面接でも「ほかに何かないですか?」と聞かれたとき、次々に新しいカードを切れると、内容にかかわらず強そうに見えるからだ。初手でいきなりすべてのカードを切るとは考えにくい。控えにカードを持つことで余裕も生まれ、失敗しにくくなる。

ここからは、守る決まりとは少しずれるが、面接における自己PRの方針について。

やはり、自分が最も得意とする分野へ相手を引き込み、面接のペースを握りたい。そのため、自分の得意分野を最初から細かくすべて説明するのではなく、あえて穴のある言い方や、興味を引きそうな言い回しに留める。そして、相手がこちらの領域へ足を踏み入れてくるのを待つのが強い。

自己PRが完璧に仕上がっていると、面接官には質問する余地がない。その結果、自分の弱そうな分野を質問されたり、予想外の質問をされたりする。これは焦る原因になる。敢えて不完全な自己PRで面接官の興味を引き、自分のペースへ引き込むのが得策だと思う。

筆者の場合、このサイトを見てもらえれば大体分かると思うが、プラレールのイベントを行っている。「ボランティア活動をしている」「地域貢献をしている」と言えば受けは良くなるが、敢えて「子供向けイベントをやっている」とだけ伝える。

「子供」という好印象の言葉が出てくる一方で、内容はあまりにも曖昧なので、面接官は中身が気になって追加の質問をする。自分が最も得意な分野の話になれば、もうペースはこちらのもの、というわけだ。

CONCLUSION

ハマる人には、ハマる戦略

細かい中身は一人ひとりまったく異なるので、これ以上の言及は避ける。ただし、誰にでも言える約束事はこの3つだけだ。

人によって適性の高い就活スタイルはさまざまだと思うが、ハマる人にはハマる戦略だと思う。ひとつの選択肢として、考えてみてほしい。